アメリカの中絶禁止法について書いた

noteから引き上げてきた記事2

2019/07/11

 

某所の選考のために5月に書いた記事だけど
もったいないので見えるところに置いておこうね

 


米国の中絶規制強化にセレブ達が強く反対


米国各州で続々と、中絶についての規制を強める法律が可決されている。
アメリカ、ジョージア州において今月7日、妊娠6週目以降の中絶を禁止する法律が可決された。
また続く15日、アラバマ州においては、「母体に深刻な影響が認められる場合」以外の人工中絶を妊娠の段階を問わずほぼ全て違法とする法律が可決、これはレイプや近親相姦なども例外とせず、人工中絶の処置を行った医師に対し99年以下の禁固刑などレイプ犯本人よりも重い刑罰が課せられる可能性のあるものだ。
米国では1973年の最高裁による「ロー対ウェイド判決」から人工中絶を認めているが、保守派はこれを覆すことを狙っている。

今回これらの中絶に関する法律について多くの著名人たちが反対の表明を行なっている。


侍女の物語(原題: The Handmaid's Tale)」を手掛けた監督であるリード・モラノは現在ジョージア州にて新たにAmazonスタジオと小説「パワー(原題: The Power)」のドラマシリーズの撮影を行っていたが、今回の法律の可決を受けてジョージア州からの撮影隊の撤退を決めている。TIME紙のインタビューにおいて、「撮影の全行程が一時的に停止することには何も問題ない」とし、「これ以降この州で撮影を行い資金を落とすわけにはいかない」と語った。


俳優のビジー・フィリップスは自身の番組Busy Tonightにおいて、 
[拙訳: 統計によると45歳までに4人に1人の女性が中絶をする。この数字は驚きだし、もしかしたらあなたは『中絶したことのある女性なんか1人も知らない』と思うかもしれない。でもあなたは私を知ってる。この国のすべての女性や少女を心底心配している]
と語り自身の15歳当時の中絶経験を明かした。
また#YouKnowMeを通じてSNSで女性たちに自身の中絶の体験をシェアすることを呼びかけた。

※元々の動画が現在はYouTube上から消えている為リンクはNowThisNewsのもの。

 

 

アメリカではキリスト教的見地から人工中絶に反対、生まれてくる命を守るべきと主張するPro-life派と、母体となる女性の選択を尊重するPro-Choice派で長らく議論が行われてきたが、今年に入りアラバマジョージア以外の実に6州でも以前よりも中絶可能期間を狭める法律が成立している。
民主党ヒラリー・クリントンTwitter
[拙訳: 私たちのだれもが、私たちの娘たちや孫娘たちの受けられる権利が今の私たちよりも少なくなるような未来を受け入れるべきではない。助ける手段を選び、友人を誘い、動き始めましょう]
とPro-Choice派の考えを述べる。


女性の体の問題についての法にも関わらず賛成した全員が白人男性であったことも批判の対象となっている。歌手のリアーナはTwitter上に、今回法律が可決した際賛成票を投じた25人の写真を載せ、怒りをあらわにしている。

[拙訳: ご覧ください。これがアメリカで女性についての決定をしてるバカどもです。Kay Ivey知事…恥を知れ!!!!]


俳優のエマ・ワトソンはこの法律を受け、
北アイルランドでは中絶のためイギリス本土へ渡る必要があるが、様々な理由から渡航が叶わず中絶が行えない女性たちがいる現状を紹介した。

 
 
 
 
 
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俳優のソフィー・ターナーは法律可決が共和党優位の州であったことを受け、共和党員のレイプについての発言とその顔写真をInstagramに投稿し、
[拙訳:恥を知れ。私たちの体は私たちのものだ。]とコメントしている。

 
 
 
 
 
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俳優クリス・エヴァンズTwitterで、
[拙訳: これは本当に信じられない。もしあなたがロー対ウェイド判決を心配していないなら、それはあなたが関心を持ってないということだ。これだから選挙は大事なんだよ!]
とコメントしている。

 

中絶を禁止することは特に経済的に困窮している女性を貧困に縛り付け、違法な医療や自力での堕胎など直接的に健康を害することにもつながりかねない。
日本国内では芸能人の政治的発言はあまり受け入れられない傾向があるが、
知名度が高い影響力のある人々がこうした問題へ疑問を投げかける投稿を行うことで、今までその問題を気に掛けていなかった層にとっても考えるきっかけとなる。
社会問題についての発言が一般的になれば、社会にも変化が出るのではないだろうか。

米国の中絶禁止法は今後最高裁まで争われる可能性があり、これに関する話題はしばらく続くと思われる。
多くの声が聞き届けられ、女性の選択肢が狭められることのないように強く祈る。